2008年2月18日月曜日

ムール貝博士のパンドラ的質問箱 その21


日曜日のベンズカフェは、ひさしぶりに強烈な異物感をおぼえたけれど、たのしかったです。純然たるポエトリーリーディングにふれたのって、いつぐらいぶりだろう?温かくもどこか虎視眈々とした雰囲気はやっぱり独特なものがあります。パクチーみたい、といったらわかる?個人的には呼んでくれた服部さんの道を外れた司会ぶりがいちばんおもしろかった。わざわざ来てくれた人、どうもありがとう!帰り道の寒さにびっくりして気が遠くなりました。


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小林大吾は聴いたことがない、という方からおたよりをいただきました。世の中にはいろいろな人がいるものですね…。ルール違反、とメールの件名にはありましたが、べつにルールを設けていたわけでもないので、問題ありません。受信したときは僕が何かルールに違反したのかとおもって、開くのちょっとためらいました。どうもありがとう!

という、マッチ1本あじの素さんのしつもんです。(ペンネームはムール貝博士がてきとうにつけています)どうでもいいけどこれ、おもいっきり職場のアドレスじゃないですか。返信してだいじょうぶなんだろうか?



Q: メガネをとると、どうなるのでしょうか。



あ、メガネをしていることはご存知なんですね。どうでもいいような情報だけが伝わって、肝心のとこが豪快にすっぽ抜けてます。えーと、そうですね、僕は去年、ミス・スパンコールに足で踏まれてメガネを失いましたが、このときの経験からすると、べつになんともありませんでした。

メガネユーザーというのは僕にかぎらず、得てしてメガネそのものが重要な感覚器官のひとつか、あるいはもうすこし穿ってまるで本体であるかのように思われがちですが、実際にはもちろんそんなことはありません。僕の本体はむしろ無精ひげにあります。僕がまっとうな大人として生きることができずにいるのも、ひとつには「ひげ剃り」が成人の義務として暗黙のうちに課せられているからです。整えて伸ばせばよろしいとお思いでしょうが、それだってやっぱりある程度は剃るわけだし、そのたびにほっぺがヒリヒリするのだし、実際このもじゃもじゃしたやつはいったい何なのだと今でもときどき腹を立てています。僕の人生は毎日ちょっとずつ伸びて後退することを知らない、どこまでもプラス思考なひげとの戦いに明け暮れているといっても過言ではありません。これにくらべたら暮らしにおけるメガネの立ち位置なんて、肉じゃがに添えられた絹莢くらいのものでしかないのです。

ただ、それでもあえて変化を見いだすとするならば、極度の乱視で夜は何を見ても100万ドルの夜景になるので、いつもよりちょっと物憂げな心持ちになることはあるかもしれません。わたしすこし酔ったみたい、とつぶやいてしなだれる感じです。色っぽいくちびるのそばにはひげが生えてるかもしれないけど、まあ誤差の範囲内でしょう。



A: わたしすこし酔ったみたい



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なんだか気が引けるので、このアドレスには返信しないでおきますね。何しろマッチ1本あじの素さんのここに辿り着いたきっかけがきっかけなので、あるいはもう立ち寄ることもなくなっているかもしれないけれど、もしまだ読まれていたらケータイからでもよいのでメールをくれればそちらにお返事します。だって職場の上司に「なんだこのムール貝博士ってのは」って詰め寄られたら、なんて返事すればいいんだ?



dr.moule*gmail.com(*の部分を@に替えてね)



その22につづく!

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