2012年3月9日金曜日

ムール貝博士のパンドラ的質問箱 その105



バッテンロボ丸さんからの質問です。(ペンネームはムール貝博士がてきとうにつけています)ふた昔以上前に放映していた子供向け特撮コメディの主人公ですね。特撮…?



Q: 本棚をつくったことはありますか



これまた妙ちきりんな質問です。ほどよくどうでもいい、その塩梅に好感が持てます。メールをくださったときにちょうど本棚を製作中だったんだとおもいますが、どうでしょうね?すてきな本棚、できましたか?

ハテそんな経験あったかしら、と過去を振り返りながらつらつら考えてみるうちに、思いもよらなかった事実にぶち当たってわたくし困惑しております。とまずはこう申し上げねばなりますまい。何しろつくるつくらない以前に、本棚というものをかつて部屋に置いた記憶がまったくないのです。それに気づいたときの驚きといったらとても言葉には尽くせません。そんなバカなことがあるものかと記憶をせっせと手繰ってみても、やっぱりない。ひさしぶりに自分に呆れました。本棚くらい置いとけよと言いたい。何故ないのだ。ないからには何か仔細があるのか。ないのか。何故ないのだ。

読み終えるそばから処分していれば別だけれど、そんなこともありません。むしろ僕は昔から読み返すこと前提で本を手に取る傾向があります。一読で済むようにおもわれれば、いかに読む価値があろうともそれは僕にとってその一冊から手を引く十分な理由になるのです。読み捨てることができないというか、了見がせまいというか、とにかくまあそんなことになっていて、だからそもそも、売り払うということを全然しません。ひたすら積もって、根雪になるばかりです。

ただそういう前提がまずあって、かくべつ活字に対する中毒もないから、数はそう多くありません。見えないところへ追いやっていることもあるけれど、御大・古川耕がうちにきて「本が少ねえ!」と驚いたくらいです。実際これまでに拾った字面の数で格付けされるとしたら、星なんかひとつも望めないとおもう。1000冊の本をランダムにもらうより、読みたい本を10冊もらえるほうがずっとうれしい。

といって本がないわけではないのだから、じゃあそれはどうしているのかといえば、ひたすら床とそれに準ずる平らなどこかに積み重ねているのです。大半は押し入れにそのままどすどすと積んであります。なぜか服を収納するためのクリアボックスにもぎゅうぎゅう詰め込んであったりする。あらためて考えるとこれもほめられた話じゃないですね。でもずっとこうです。何をやってるんだ一体?

けっきょくのところは頓着しないという一言に尽きるとおもいます。あったらいいなァとぼんやりおもう日もあるけれど、ないならないで別にいいやとうっちゃっている…と書けば急に大人としてマズいようなきもちになってくるじゃないですか。困るなあ。



A: そもそも本棚がないのです。



そういえば「本を探しづらい」とは前々から思ってはいたのです。その都度いちいち積み直していた。それが本棚の欠如によるものだというシンプルな事実に思い至らなかったのは、それこそ今まで一度も置いたことがなかったからにちがいありません。そうか、本棚か…それはべんりだ…。





ダイゴくん不在のいまも質問は24時間受け付けています。
dr.moule*gmail.com(*の部分を@に替えてね)


その106につづく!

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