2015年4月15日水曜日

ムール貝博士のパンドラ的質問箱 その209

休憩所……?



地震カミナリ火事もやしさんからの質問です。(ペンネームはムール貝博士がてきとうにつけています)


Q: 私は昨年一人暮らしを始めたのですが、貯金がどんどん減っていくことに気が付きました。おそらく食費です!日持ちしてお腹いっぱい食べられる、オススメの料理を教えて下さい!


これを言うとみんなに、というか親にも「えっ」という顔をされたのですが、僕はじぶんから料理が好きだとか得意だとか言ったことってじつは全然ありません。つくるにはつくるし、どうせつくるならそりゃ美味しいほうがいい(←ここ重要)とはおもってるけど、基本的には生き抜くための手段のひとつであって、目的だったことはまずほとんどないのです。外で食べたりおかずを買ったりするとどうしたって高くつくし、若いころはとにかくいかに食費を抑えつつ食欲を満たすかということばかり考えてました。その結果台所に立つのが当たり前になっただけで、だから「日持ちしてお腹いっぱい食べられる……」というきもちはすごくよくわかります。カレーや豚汁は一度に20人分くらいつくってたし、煮詰まってきたらどっちもうどんを投入して掻っ込んだものです。

腹を満たすにはやっぱり米を炊くのがいちばん手っ取り早かったんだけど、そのころつくるようになったゴハンのお伴で、「日持ちしてお腹いっぱい」のマインドから自然と形を変えていった料理がひとつあります。ずいぶんとあとになって指摘されたときに初めて「言われてみればたしかに普通はこうつくらないかも」と気がついたひと皿がこれです。


おわかりかとおもいますが、きんぴらです。でも異様に細くて、ふわっとしています。ふつうに拍子木状のきんぴらをつくるとあっという間になくなってしまうので、ちょっとでもかさを増やそうとちまちま切っていたらいつの間にかここまで細くなりました。表面積が何倍にもなっているせいか、ほんのちょっとでゴハンがめちゃ進みます。ごぼうと人参を超細切りにして、あれば椎茸なんかも足して、ごま油で炒めて、醤油、みりん、もしくは塩あたりで適当に味をつけるだけです。やってることはシンプルだけどごぼうと人参のカットが面倒と言えばものすごく面倒なので、このへんの手間を受け入れられるかどうかがカギですね。僕の場合だいじなのは手間よりもいかに安く大量にメシを食うかだったのであまり気になりませんでした。

さらにこれは実際この形になってから気がついたんだけど、思いのほか使い回しがきくんです。まぜゴハンにしておむすびにもできるし、卵かけごはんに添えてもメチャ美味いし、チャーハンの具材にしたり、うどんのつゆにぶちこんでもオーケーとあらゆる場面で活躍してくれます。通常の拍子木バージョンだとこうはいきません。それ自体で腹を満たすというよりは、まあブースター的なひと皿です。

何もかもが面倒なら、炊飯器にぶちこめそうなものを片っ端から何でもぶち込んで塩なり醤油なりをふりかけて炊き込みご飯にするという手もあります。というか僕もしょっちゅうやってました(炊飯器はなかったけど)。肉や野菜が手軽にとれてかつ満腹まちがいなしといったらまずこれの右に出るものはありません。「鶏肉とごぼう」「豚肉ときのこ類」、ちょっと変わったところでは「粗く刻んだトマトとコンソメ(+胡椒)」なんかもアリです。いちばん楽なのはアサリで、炊きあがってから三つ葉を散らしたりすると彩りも良く、ほとんど何もしてないのになんかちゃんと料理したような気にさせてくれます。海苔、油揚げ、ゴマ、干し椎茸なんかはどれとどう組み合わせてもばっちりなので、気分に応じて足したり引いたりするのもよいですね。日持ちとかそういう観点はすっぽ抜けてますけど。


A: きんぴらをふさふさにするとゴハンがいっぱい食べられます。




質問はいまも24時間無責任に受け付けています。

dr.moule*gmail.com(*の部分を@に替えてね)


その210につづく!

2 件のコメント:

はな@関西 さんのコメント...

わたしは毎日素うどんでも平気なタイプですが、
細切りきんぴら美味しそうと思って作ってみました。
すごく美味しかったです!
週末、大量に作って食べたいと思います。


関係ないですが、コメント欄の下にある
「私はロボットではありません」って面白いですね。
英語を習いたてのときの「is not」の例文っぽい。

ピス田助手 さんのコメント...

> はなちゃん

僕も毎日素うどんでも平気なタイプです。
若いころはチキンライスを毎日3食
1ヶ月つづけたこともありました。
極細きんぴら、おいしいでしょ。
いろいろ使い回してみてね。

ロボットのこれ、とくに証明しなくても
ぜんぜん支障ないのがふしぎです。
何のためにあるんだろう。