2018年4月12日木曜日

ムール貝博士のパンドラ的質問箱 その289


Youはヤスシお隣はタカシさんからの質問です。(ペンネームはご自身でつけられています)


Q. 20代の男です。これまでお付き合いした女性は、別れ話を切り出すと必ず、なぜ?と尋ねてきました。相手を振る理由を説明していると、どんどん自分が人でなしに思えてきて嫌になるのですが、どうかひとつ、この問いに対する回答例を頂けませんでしょうか。


ペンネームが最高なのでうっかり取り上げてしまいましたが、これはまた火気厳禁なかんじの質問ですね。

初めにお断りしておくと、相手にその気がないのに一方的に別れを切り出せば「なぜ?」と問い返されるのは、これはもう、誰がどこからどう見ても、至極当たり前の話です。そこに多少なりとも疑問を感じていること自体、いささか問題があると言わなくてはなりません。なんとなればここには、相手のきもちを慮る想像力が決定的に欠けているからです。

また、「どんどん自分が人でなしに思えてきて嫌になる」とありますが、一方的に別れを切り出す以上それくらいの負荷を背負うのは、これまた至極当たり前の話です。しかもはっきり申し上げて、大した負荷ではありません。えんぴつを真ん中からベキンとへし折るような心の動きを自己嫌悪と呼ぶなら、この場合は削りすぎた芯の先っちょがポキッと折れたくらいのことです。

なので、そうですね、まずはご自身の防衛反応を脇に置くことからはじめましょう。「なんでこんなきもちにならなくちゃいけないんだろう」とお思いかもしれませんが、相手はもっと「なんでこんなきもちにさせられなくちゃいけないんだろう」と思っているはずです。だったらなおのこと言わずにいるほうがいいような気もしてきますが、それですっきりするのは振る側だけであることを忘れてはいけません。それを人でなしと呼ばずに何と呼びましょう。

おもいきって踏みこむなら、こと恋愛においてはみんな多かれ少なかれ傷つけたり傷つけられたりしているのだし、べつに人でなしでもいいじゃないかと僕なんかはおもいます。その上で、なるべく善良でありたいと願い、行動すればよいのです。恋愛にかぎらず見たくない現実に目をつぶって善良であることなど望むべくもないと肝に命じましょう。人でなしであること、そこがスタート地点です。

そしてここに立つと、話は一気に簡単になります。相手が人でなしだとわかれば振られる側としてもこの恋に拘泥する理由はもはや何ひとつないし、振る側は振る側で「人でなしなんだからしかたないよな」で落ちこむ理由はありません。ウィンウィンじゃないですか?

さらに人でなしには、人でなしにしか言うことのできない、圧倒的な破壊力でかつ後腐れもなさそうなダブルミーニングな最終兵器(リーサル・ウェポン)があります。

こう言えばよいのです。


A. おれ人間じゃないんだ……




質問は10年たった今でも24時間無責任に受け付けています。

dr.moule*gmail.com(*の部分を@に替えてね)


その290につづく!

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